脚本

あらすじ

若き研究者である「A」と「C」は宇宙の資源である「白黒エネルギー」を発見し研究する。
研究の過程で「C」は白黒エネルギーのせいで不治の病にかかってしまう。
「A」は白黒エネルギーが欲しい国や企業からの圧力を受けながら白黒エネルギーの発電施設を完成させる。
「C」は白黒エネルギーが危険であると世界に発信するがそれを良しと思わない資産家たちに発信を潰されてしまい、白黒エネルギーの発電所を作った「A」も信じられなくなる。
「A」は自分が作った白黒エネルギーの発電所が未完成であることに気が付いていた。
完璧なものに完成させるには「C」の協力が必要なことがわかっていた。
「A」は親友でもある「C」に無理をさせたくないと思いながらも、お互い研究者として仕事をまっとうしようと「C」を説得する。
心打たれた「C」は「A」と共に完璧なものをつくるため発電所の改築を始めた。

その100年後、宇宙の資源「白黒エネルギー」を得た人類はパラレルワールドの存在を知ることになる。
白黒エネルギーの汚染によって地上に住めなくなった「B」は肉体を捨ててデジタル世界で不老不死のデータとして完璧にコントロールされた人生を送っている。
そんな時、パラレルワールドの別の地球に住む「B'」から通信が入る。
「 B' 」は肉体が捨てられず汚染された地上で何とか生きながらえている。
そんな「 B' 」に肉体を捨てデジタル世界に行くように勧める「B」。
「B」の死生観についていけない「B'」はその勧めに応じない。
そんな中「B」の住む地上で汚染された場所から子どもを救うことに成功する「B」。
だがその過程で「B」は亡くなってしまう。
そのことを知った「B'」は本当に自分のいるデジタル世界も完璧なものなのか疑問を感じる。
そして「B'」は自分から見ることはなかった、白黒エネルギーで汚染された地上の映像をみようとする。

登場人物

 A 

白黒エネルギーの研究者。
白黒エネルギープラントを設計し完成させる。

C 

Aと共に白黒エネルギーの研究をしていた。白黒エネルギーに被爆し発電所の施工計画に反対していた。

白黒エネルギーで地上が汚染され肉体を捨てデジタル世界に引っ越した研究者。コントロールできる不老不死の世界を作ったことを誇りに思っている。

別のB

白黒エネルギーの汚染が地上に広がる中、それを浄化できないかと研究を続ける。

脚本

S#1 タイトル「白黒」


S#2様々なエネルギー施設の映像

炎から始まり風車、水力、石炭、石油、原子力施設の映像が流れる。
NA「テクノロジーの進化だけでなく、その過程で地球の資源を搾取し続け
様々な環境問題が起きる未来。
環境問題を解決するためにさらに多くのエネルギーが必要というループの中、
人間は研究の末、ある未知のエネルギーを発見する。
研究者はそのエネルギーを白黒エネルギーと名付けた。」

S#3白黒エネルギープラント(昼)

宇宙から降り注ぐ白黒エネルギーを発電する施設
海の上で白と黒のアンテナが動く
テロップ、白の章と表示される

S#4白の章・病院・屋内(昼)

AとCの主治医の医師が向かい合って座っている。
医師の話を聞きいらだった声を上げるA
A「伝え方が悪かったんじゃないのか?不治の病気でも未来なら治せるってちゃんと伝えたのか?」
医師「もちろん伝えました。ですが白黒エネルギーの作る未来にはいきたくないと頑なで。」
A「これと白黒エネルギーは関係がない。俺の親友が生き残れるかどうかの問題だ。」
コールドスリープ未来への切符と書かれた資料を指さすA。

医師「病院からの検査や治療に関しては、不治の病がどういう病気か解明するために協力的です。
ですが、どうやら陰謀論のようなものに囚われているようで、家族やあなたをはじめ友人の話などは頑なに拒否しています。」
A「気持ちはわかる。白黒エネルギーに反対したせいで彼の家族や友人は離れて行ってしまった。」
医師「なぜそんなことになったんですか?彼には大切な人たちの支えが必要だったのに。」
A「それは・・・言えない。」

S#5病院・病室(昼)

眠っているCの病室をのぞくA。
ふと目を覚ますC。
Aと目が合い、ぎょっとするC。
病室に入るA。
A「俺と話しもしたくないと思うが、少しだけ時間をくれないか?」
C「お前が何をしに来たかわかってるぞ。僕を殺しに来たんだろう?」
A「違う。」
C「君が作ったあの未完成な発電施設を反対する僕が邪魔だから。白黒エネルギーのせいで不治の病気を負った僕を消すために来たんだろ?」
A「俺はそんなことしない。おまえの親友だろ?」

C「身近な人はみんな白黒エネルギーの奴隷だ。信じられない。」
A「今、おまえの目の前にいるのは研究者の親友の俺だ。だから信じてほしい。」
C「もし研究者の君だったとしても、信じられない。白黒エネルギーが危険と知ったにも関わらず金もうけだけのためにあんなものを作るなんて。」
A「事情があった。説明したいんだ。」

Cのベッドの横の椅子に座るA。
そんなAの腕をつかみひきよせるC。
C「(小声で)父親がこの前来たんだ。僕のこの病気は白黒エネルギーとは無関係だと発表してくれといってきた。検査の結果、白黒エネルギーのせいだというと、いつも温厚な父親が僕の首をつかんで、これ以上白黒エネルギーのことを悪く言ったら痛い目にあうぞと脅してきたんだ。あんな父親、初めて見た。何が起きてるかわかる?」
A「わかってる。俺の銀行口座にも大量の金が振り込まれたから知っている。」
Aの腕を放すC。
C「受け取ったのか?そうか、わかってる。前に結婚したんだったね。妻と子を養わないと。」

A「確かに俺たちの人生は研究に投資した国や企業に支配されている。」
C「僕は支配されない。白黒エネルギーを反対し続ける。」
A「本当に殺されるぞ。」
C「殺せばいい。白黒エネルギーの闇がさらに暗くなるだけだ。」
立ち上がるA。

A「俺があんな発電施設を作る羽目になったのはお前のせいだ。」
C「それを言い訳にして僕を殺すのか。」
A「金や支配者の話じゃない!俺たちの研究の話だ!」
俺をみろという意思でCの視線の前に行くA。

A「お前は俺より研究者として優れてる。尊敬してるんだ。研究者として。
それなのに病気になったとたん研究をやめてしまった。
やめたせいで無能な俺が一人で進めるしかなくなった。
目の前の数字だけ膨大なエネルギーで世界を支配したい金持ちから早く形にしろ、お前のせいで損し続けてるんだと脅された。
唯一仕事が忘れられる家族ですら、俺のことを家族でなく優秀な研究者とみてきた。
お前にこのつらさがわかるか?娘がパパは未来をつくるヒーローだって言う。
俺は無能なのに。」

C「僕は研究をやめた。」
A「なんでやめるんだ!
研究者として白黒エネルギー発見から間違いを犯しても前に進み続けてきたじゃないか!研究者として未完成で苦しくないのか?俺はつらくて苦しいんだ。
お前がいれば完璧になる研究なのに。」
C「僕は白黒エネルギーのせいで病気になったんだよ!病気のせいで命を失う。
白黒エネルギーを欲しがる金持ちのせいで家族や友人も失ったんだ!」
A「俺はここにいる。親友として。お前と同じ白黒エネルギーの研究者として。」
C「・・・」

静寂の間。
A「今までこの病室にくるか迷い続けてた。病気の親友に無理をさせたくなかった。
でも俺は今おまえに無理をしてほしいと思っている。」
C「いったい、なんのために?」
A「もちろん未来の子供たちの幸せのために。白黒エネルギーの研究のきっかけはそれだったろ?」
C「そうだ。」

Cの目つきが変わる。
C「発電所の設計と充電の仕組み、すべての資料をくれ。」
A「どうする?」
枕元に伏せられていた写真たてを手に取るC
その写真には、白黒エネルギーの研究で賞を取りはにかんだ笑顔のAとCの若い姿が映っている。
Aにその写真をみせるC
C「完璧なものに改築できるはずだ。僕は死ぬまで研究者でいたい。君と一緒に」

S#6 白黒エネルギープラント(夜)

夜でも光を発しながら稼働し続ける工場
流れ星が空を流れる。

S#7 病院・屋内(夜)

ベッドの上に広がるブループリント。
大量の付箋が貼られている。
ベッドに腰かけ端末の資料を見ているC
Cが改善すべき点をAに伝え、Aが端末に入力していく

***

深夜まで病室の電灯がともっている。
立ち寄った医師がCの様子を心配そうに見ている。
ベッドの上で端末に記録していたC。
Cが立ち上がるがふっと足から力がなくなり床に倒れる。

S#8 病院・屋内(明朝)

慌てて病室に現れるA
A「様態は?」
医師「安定していますよ。だいぶ無理していたようなので疲れて眠っています。」

ほっとしたAだったが、あらためて医師をみる
A「先生、余命はどれくらいになりそうですか?」
医師「余命は未来が決めそうですよ」
A「未来?」
医師「コールドスリープにはいることに考えを改めたそうです。
あなたたちが改築した完璧な工場が作る白黒エネルギーがどんな未来を作るかみたいとおっしゃっていました。」

A「そうか俺たち文字通り仕事し続けたよな。未来までの休暇だ。いってこい。」
穏やかな表情で眠っているC

NA「白黒エネルギーは地球の資源ではない。宇宙から発見された新たな資源だった。白黒エネルギーは宇宙を次元の概念を超越して白から黒へ流れる膨大なエネルギーだった。」

S#9 黒の章・地球

宇宙から見た地球
NA「物語は100年後の彼らがいた地球とは別の、パラレルワールドの地球にすむ人物へと代わる。」

S#10 黒の章・白黒エネルギープラント(夕)

古くなったエネルギープラント施設。
海の上で白と黒のアンテナが動く。
テロップ、黒の章と表示される

S#11 白黒エネルギープラントがみえる湾岸(夕)

海岸線をオープンカーが走る。
アロハシャツを着、サングラスのBがオープンカーを運転している。

S#12 海岸

海岸で車を止め。夕日を眺めながらビールを飲むB。
そんなBにAIアシスタントから通信が入る。
AI「ボス。通信が入っています。」
B「誰だ?」
AI「それが貴方らしいんです。」

B「どういうことだ?」
AI「白黒エネルギーの波を計測するアンテナから受信した平行宇宙の地球からの通信で、誰に繋ぐべきかわかりませんでした。
受信した映像があなたと同じ容姿だったのでお繋ぎしました。」
B「俺と同じ姿だって?平行宇宙ということはパラレルワールドか。まさか映画やドラマじゃあるまいし侵略しに来たとか?」
AI「受信した映像からは我々のような高度な技術があるようにはみえませんでした。」
B「(笑って)なら安心か。暇つぶしだ。繋いでみるか。」

目の前にアナログテレビが現れ、リモコンでそれのスイッチをいれる。
別の地球のBが映し出される。
驚き混乱する別の地球のB。
別のB「酔っ払ってる?」
B「ああ、休暇でね。別の地球はどんなのかって思って接続してみたら、
こんな暗い俺が出てくるとはね。照明つけたら?」
別のB「休暇?そっちの地球は幸せな世界なのか?」
B「みてみるかい?」
そういってリモコンのチャンネルをかえるB

アナログテレビにBの住む豊かでハイテクな様子が映し出される。
ビーチで遊ぶ未来の人々、
空飛ぶ車が行き来する摩天楼、
未来の豪邸で楽しそうに食事をする人々。

感動し涙を流す別のB。
別のB「すごい、こんな世界があるなんて・・・白黒エネルギーは僕達を幸せにしたんだ。」
B「白黒エネルギーが作った完璧にコントロールされた世界だよ。そっちはなにかあったのか?」

口ごもるが話し始めるB
別のB「恥ずかしい話をしないといけない。こちらの地球は白黒エネルギーを制御できなかった。汚染された土地から逃げるために富豪達はみんなコールドスリープで眠りについた。僕達研究者も時間を稼ぐために10年おきに起きて資産家たちが家に帰るための研究をしている。」
B「コールドスリープ?随分ローテクだな。」
別のB「そうだ、なさけない。汚染された土地に貧しい人たちは残されたままだ。」
B「地上?まだ地上で人が生きてるのか?この映像も地上からの映像か?」
別のB「どういうことだ?」
B「どうりでそっちの映像は悪いと思った。さっき俺がみせた映像は地上の映像じゃない。全部デジタル化された地球の映像さ。選ばれし人たちは肉体を捨ててこっちに引っ越したんだ。」

別のB「そんな・・・。」
B「不老不死で自由気ままにみんな生きているよ。
仕事ごっこをしている人もいるが俺は肉体を持ってるときに研究に励みすぎたよ。
だからこっちでは永遠に休暇が好みでね。」
別のB「生きているって何なんだ。」
B「おいおい、いつか朽ちる肉体がそんなに重要なのか?そんなものにこだわってるから
お前みたいな立場の人間は金持ちのいいなりになって働かされ続けてるんだろ?
お前の雇い主はずっと昼寝してるのにさ。」

別のB「あなたと僕では死生観が違うみたいだ。」
B「俺たちは死なないからな。」
別のB「やはり白黒エネルギーは間違っていたのか。」
B「待て待て、白黒エネルギーは素晴らしいエネルギーだ。
白黒エネルギーがあったからこそ、このデジタル世界を作ることができた。
俺たちの毎日をもっと見せてやりたいよ。人として幸せに生きていける。
すべてが思い通りコントロールできている。
すべてがコントロールできていれば不安や不幸を感じることはない。
永遠の時間の中で人種や文化、夫婦喧嘩があれば思いっきりやりあえばいい。
思いっきり殴り合って殺しあえばいい。不老不死なんだから。
相対する人間がいれば生を感じられる。」
別のB「対立しなければ生を感じられないみたいだ。」

B「短絡的だったな。暴力的なところをあげちゃったけど、恋愛や友情、人生を感じられる。それが永遠に続くんだ。」
別のB「・・・」
B「興味がわいてきただろ?
お前の世界も俺たちの世界の段階にきたんじゃないか?
望むならデジタル世界の作り方を教えてやるぞ。
お前以外の研究者にも喜んで教えてやる。こっちの世界はいいよ。
自分の人生を永遠にコントロールし続けることができるんだ。」

別のBは一枚の写真を取り出しみている。
別のB「その世界に子どもがいるのか?」
B「もちろん、お互いのDNAデータを掛け合わせて新たな子どもを作る。
そしてその子どもたちも成長していく。」
別のB「何か違う、何か違うと思うんだ。」
B「ハッ(嘲笑)俺たちのほうが進んでいるなテクノロジーだけでなく考え方も。」
別のB「彼らはそちらの世界にもいましたか?」
そういってAとCの写真をBに見せる。

B「さあ?こっちの世界にいたかな?」
別のB「彼らは僕たちの地球で白黒エネルギーを発見し研究した偉大な人たちです。
彼らは未来の子供たちのために白黒エネルギーを研究していました。」
B「こっちじゃ永遠の時間の中で忘れちゃったのかもな。」
別のB「もし助言いただけるなら、
白黒エネルギーが汚染した地上を浄化する方法を一緒に考えてもらえませんか?」
B「本末転倒さ、次の一歩はデジタル世界しかないのに、そんなことしても遠回りだろ。」
別のB「僕はやってみたいんです。」
B「そうか。でも言っただろ。俺は休暇中なんだ。」

通信を切るB。
B「話の合わない俺だったな。」
そういってまた海岸を眺めながらビールを飲むB
Bの眺める海が夕方から夜へ移り変わり朝日がでてまた夕方になりまた夜になる。
立ち上がるB

S#13未来の図書館(夜)

オープンカーが前にとまり、Bが車から出てくる。

S#14未来の図書館内・閲覧室(夜)

窓のようなモニターに白黒エネルギープラントの映像が映し出されている。
それをみているB
そこへ図書館の司書がやってくる。
司書「やあ、百年ぶりくらいかな?」
そういってBと握手する司書。
B「ああ、それくらいたったか。」
司書「いまさら白黒エネルギーに興味が?」
B「まあね。この映像は今の発電所の様子かい?」
司書「いえ。過去の一番いい時の映像です。
潜水艦や宇宙船から外をみるには勇気がいるでしょう?
外に出たら死ぬという不安を感じさせないように、リアルタイムの映像は避けてるんです。」
B「完全にコントロール下であることに自信を持てば不安なことなんてないさ。」
司書「じゃあ、地上を覗いてみます?」
B「いや今日はそんな気分じゃないし、白黒エネルギーの資料をみにきただけだから。
びびってるわけじゃないよ。」
笑うBと司書

***

ファイル化され紙に印字された資料をみているB。
白黒エネルギー最初の項目にAとCの写った写真の資料をみつける。
B「こっちにもいたのか。」
そこへAIアシスタントから通信が入る。

AIアシスタント「ボス、また別の地球の貴方から通信です。」
B「またか。しかたないな。繋いでくれ。」
白黒エネルギープラントが映っていたモニターに別の地球の映像が接続される。
B「やあ、前回は途中で切ってすまなかったね。」

少し遅れてモニターに別のBが映し出される。
作業着を着たB。息を荒げ興奮状態。
別のB「そちらの地球では、白黒エネルギーの汚染で病気になった人はいたか?」
B「ああ、もちろん地上にいたときはいたが?」
別のB「汚染地帯で、この子をみつけたんだ。」
別のBがうつっていた映像に子どもが映し出される。
子どもには呼吸器がつけられている。

別のB「末期の症状だ。」
B「だから言ったんだ!
デジタル世界に移住すればこんなことにならないんだぞ。」
別のB「この子は安全地帯にいることができない貧しい子どもたちだ!
君たちのいるデジタル世界の選ばれた子どもたちじゃないんだ!」
B「・・・」
別のB「それに今はそんなことどうでもいい。力になってくれ、頼む!」
B「もちろんだ。医療チームを叩き起こせ!今すぐ。」

先ほど見ていた資料の中で白黒感染病の欄をみるB。
透明のタブレットをタップするB。
資料の中の治療の様子がモニターに映し出される。
B「臓器移植が必要だ。いったん血を抜かないといけない。それはコールドスリープの装置を使えばいい。こちらの病状のカルテを送る。治療の様子の映像もだ。」
Bが集中すると部屋が暗くなり情報が一極に集まっていく。

***

モニターに映し出される子どもの映像。
ベッドに横たわり手術着に着替えている子どもは穏やかに眠っている。
そんな子どもの姿を感慨深くみているB。
別のモニターに医師が映し出される。
医師「こちら繋がっていますか?」
B「ああ。」
医師「貴方の資料のおかげでこの子の手術は無事成功しました。」
B「よかった。こちらの技術は優れている。白黒エネルギーはコントロールできるんだ。
君たちの次の一歩の答えはこちらの世界にあるんだ。
俺を呼んでくれないか?あいつを説得しないといけない。」

眉をひそめる医師。
医師「実は貴方に伝えないといけないことがあります。」
B「なんだ?」
医師「汚染地帯探索の過程であなたも白黒線に長時間晒されてしまい
感染してしまっていました。この子と並行して手術をしていたんです。」
B「・・・」
医師「手術の結果、彼は亡くなりました。」
B「冗談じゃない、俺が?」
医師「こちらのあなたが亡くなりました。」

立ち上がるB。
B「何を言ってるんだ!こちらの技術の成功率が50%だっていいたいのか!?」
医師「誠に申し訳ございません。」
B「子どもは助かったんだろ!?俺も助かるはずだ!同じことをしていれば!」
医師「もしかしたら私たちの技術不足だったかもしれません。
ですがあなたも人ならわかるはずです。完璧な物なんてこの世にはありません。」
B「こっちの世界にはあるんだよ!完璧にコントロールされた世界が!
なんでそんな危険な世界を選ぶんだ?おまえたちの地球は!」
医師「こちらの地球のあなたの選択でもありました。
そして未来ある子どもを一人救ったんです。」

B「・・・話にならない。」
医師「そうですね。考え方が全く違ってるんです。
それでも、あなたであることは違いありません。だから亡くなって本当に残念です。」
B「俺を見ることはできるか?」
医師「・・・あなたが亡くなっているんですよ。その姿をみて平気ですか。」
B「平気かどうかみてから考える。」
医師の姿が消え、別のBの姿がうつしだされる。
その映像を見て過去の別のBの言葉がBの脳内にフラッシュバックする。

***
フラッシュバック
別のB「もし助言いただけるなら、白黒エネルギーが汚染した地上を浄化する方法を一緒に考えてもらえませんか?」

S#15未来の図書館内・閲覧室(朝)

窓のようなモニターに朝の景色の白黒エネルギープラントの映像が映し出されている。
それをみているB。
そこへ図書館の司書がやってくる。
司書「おはよう。調べたいものはありましたか?」
B「ああ、ありがとう。」
司書「では、バケーションに戻るんですか?」
B「いや新しい仕事ができてね。そちらに取り組むよ。少なくとも次の100年は。」

立ち去ろうとするBだが立ち止まり踵を返す。
B「今の地上をみてみようかな。」
司書「(笑って)びびってたんじゃないんですか?」
B「さっきそれ以上に恐ろしいものをみたんだ。」
司書「なんですか?」
B「コントロールできない完璧じゃないものを見たんだ。だから地上が本当にコントロールできているかみてみたいんだ。」

NA「彼は別の地球にいた自分のために地上を浄化する研究を行った。それは彼のいる地球にとっても、次の一歩になった。」

S#16エンドロール

NA「人は前に歩み続ける。暗闇の中で光を探しながら。」

S#17さらに未来の地球

目を開くC
看護師がCのベッドのそばに立っている。
看護師「お帰りなさい。長い旅でしたね。」
ぼんやりとしたままのC
看護師が病室のカーテンを開く
窓の外を見るC
Cの目の中に青空が映り込んでいる
NA「正しい未来へ続いているかを知る由もなく歩き続ける。少しでも良い方向へ。間違いを正しながら。」

終わり