脚本 第四稿

black-and-white-film

大幅に変更した第四稿

あらすじ

白黒エネルギーを発見した人類は地上にいくつもの白黒エネルギー発電所を作る。
医師の主人公Aは白黒エネルギー発電所の近くに住むCの娘を白黒エネルギーの汚染からくる病、白黒病と診察する。
が、そのカルテは白黒エネルギーに関わる政府や企業に隠蔽され、逆にAは白黒病患者に命を狙われるようになる
娘を失ったCはAに復讐しようとする。そんなCにAは未来に逃げようとする白黒エネルギー関係者がいることを告げる。
AとCがいる地球とは違うパラレルワールドの地球にいるB。
Bの世界では白黒エネルギーから汚染された地上から非難するため肉体を捨てデジタル世界に精神を移している。
AとCがいた地球に住む別のBから白黒エネルギー関係者はコールドスリープで未来に逃げてしまい地上に取り残されていることを聞き、なんとかできないか白黒エネルギーを調べるB。
だが別のBは白黒エネルギーに汚染された地上で白黒病にかかり死んでしまう。
完璧なものはないと気が付きBは地上の汚染をどうにかできないか研究を始める。

脚本

S #1様々なエネルギー施設の映像 

炎から始まり風車、水力、石炭、石油、原子力施設の映像が流れる。

NA「テクノロジーの進化だけでなく、その過程で地球の資源を搾取し続け様々な環境問題が起きる未来。環境問題を解決するためにさらに多くのエネルギーが必要というループの中、人間はある未知のエネルギーを発見する。人はそのエネルギーを白黒エネルギーと名付けた。」


S#2白黒エネルギープラント(昼)

宇宙から降り注ぐ白黒エネルギーを発電する施設

NA「歴史が示してきた通り新たな力は、間違えば火傷を負い、その力に溺れてしまったら傲慢になり続けるのが人間という生き物だ。」

海の上で白と黒のアンテナが動く

テロップ、白の章と表示される


S#3田舎の家

白黒エネルギープラントを軒先からみている女の子

A「ご加減はいかがですか?」

女の子をみている母親のC

C「日によってまちまちで今日は特に調子が悪いみたいで。」

調査員「先生、特に周囲の汚染などはないようです。」

C「こんなこと言いたくないのですが、やっぱり白黒エネルギーの発電所が問題なんでしょうか?」

A「私は白黒エネルギーの専門家ではありませんがエネルギーの研究者の中には信頼できる人が関わっています。その人たちが数十年かけて臨床実験してきました。誓って安全なエネルギーです。」

C「ではなぜ、あなたたちはそんな恰好で来られたんですか?」

ハズマットスーツを着ているAと調査員

調査員「決まりでして。お子さんが白黒エネルギー発電所の近くで初めて体調不良を起こされた方でしたから。」

C「白黒エネルギーには私たちも感謝しているんです。こんな田舎でも昔では考えられないほど便利になりました。」

A 「便利になっただけではありません。これは私の専門ですが、白黒エネルギーにおかげで癌や今まで治せなかった病気を治すことにこの数年で成功しています。」

ハズマットスーツを脱ぐA

調査員「先生!規則違反です」

A「大丈夫。奥さん、白黒エネルギーはコントロールされています。もしお子さんが何らかの未知の病気だったとしても、白黒エネルギーを使って我々がお子さんを助けて見せます。」

Cの肩に触れ安心させるA

C「・・・わかりました先生。娘をよろしくお願いいたします。」

軒先に座っている女の子の方へ歩いていくA

A「さあ、病気を治しに行こうか!」

笑顔で振り返る女の子

女の子「嘘つき」

はっとするA


S#4数年後、廃墟

廃墟で目覚めるA

ホームレス姿。

AのNA「僕が初めて白黒エネルギーは人体に影響を与え、白黒病という病気が発症してしまうことを発見した。当時の自分は愚かだった。白黒エネルギーに魅了されていただけでなく、人を知らなさ過ぎた。」


S#5廃墟の町

廃墟の町でAは男と落ち合う。

男は昔Aに命を助けられた患者。

その様子を監視しているドローン


***


男から衛星写真を受け取るA

A「ありがとう。やはり、大規模なコールドスリープの施設のようだ。」

男「その施設について政府も企業も何の発表もしていません。白黒エネルギーとかかわりがない民間人には情報が漏れないようにしているようです。」

A「隠す必要のない施設を隠しているということだね。」

男「先生、これ以上深追いは危険です。」

A「僕が発表した白黒病以上に、隠したいことだろう。」

男「それだけでなく、最近白黒エネルギーに携わった人の失踪事件が相次いでいるんです。」

A「僕も恨まれて当然の立場だ。」

男「先生には生きていてほしいんです。俺を助けてくれたから」


S#6廃墟

扉を開け廃墟に入るA

扉の裏側にいた人影がAに襲い掛かる

Aの首筋に注射器が刺される


***


目を覚ますA。

椅子に縛られている。

?「先生、やっとみつけました。」

そういってAの前に姿を現すC。

C「私のこと覚えていますか?」

A「もちろん。初めての白黒患者の母親でしたね。」

C「貴方は私の娘だけでなく多くの人を見殺しにした!文字通り復讐しに来ました。」

A「わかってます。誰かが僕の罰を与えに来ると思っていました。」

C「先生のせいで正しい治療が行われず多くの白黒病患者が死んだ!その罪から逃げていたがやっと追い詰めた。」

A「白黒病から逃げていたのではありません。僕のカルテを握りつぶした人達から隠れていました。」

C「それは誰だ!」

拳銃を取り出すC。

C「次はそいつを見つけ出してやる。」

Cの目を見るA

A「ふたりだけで話せますか?カメラを切って。僕を殺すときだけ依頼者に映像をみせればいいでしょう?」

C「・・・」

ボディカメラの電源を切るC

C「いったい何?」

A「僕は後悔しています。後悔してもしきれない。白黒エネルギーを信じたばかりに多くの人に噓をついた。白黒病のせいで助けた人よりも助けられなかった人のほうが多くなってしまった。だからあなたに処刑されることに覚悟はできています。」

C「なにが覚悟だ!逃げ続けていたくせに。」

A「最後に調べたかったことがあったんです。その資料をみてほしい。」

テーブルに置かれた衛星写真と他の資料をみるA

A「陰謀論かそうではないか。誰かに調べてほしいんです。」

C「何の資料なの?」

A「大規模なコールドスリープ施設の資料です。」

C「コールドスリープ?」

A「政府も白黒エネルギー関係企業も隠して建設している施設です。ご存じの通り、白黒病患者数も発症の原因になっている白黒エネルギーの汚染地帯も拡大し続けています。そこで白黒エネルギーで富を得た富豪たちはこのコールドスリープの施設をつくって自分たちだけ未来に逃げようとしているんじゃないかと考えています。」

C「そんなやつらが?」

A「あなたのその凶器はどこで手に入れたんですか?僕の居場所は誰から聞いたんですか?誰にやとわれたんですか?」

C「・・・」

A「もしかしたら繋がっているかもしれない」

C「その話が本当だったとしても貴方が娘や他の白黒病患者を見殺しにしたことを正当化できない。」

そういってボディカメラの電源をもう一度いれるC

Aの後頭部に銃をつきつけるC

A「ありがとう、やっと罪が償える。」

目を閉じるA

NA「白黒エネルギーは地球の資源ではない。宇宙から発見された新たな資源だった。白黒エネルギーは宇宙を次元の概念を超越して白から黒へ流れる膨大なエネルギーだった。」


S#7 黒の章・地球

宇宙から見た地球

NA「物語は彼らがいた地球とは別の、パラレルワールドの地球にすむ人物へと代わる。」

テロップ、黒の章と表示される


S#8 白黒エネルギープラントがみえる湾岸(夕)

海岸線をオープンカーが走る。

アロハシャツを着、サングラスのBがオープンカーを運転している。


S#9 海岸

海岸で車を止め。夕日を眺めながらビールを飲むB。

そんなBにAIアシスタントから通信が入る。

AI「ボス。通信が入っています。」

B「誰?」

AI「それが貴方らしいんです。」

B「どういうことだ?」

AI「白黒エネルギーの波を計測するアンテナから受信した平行宇宙の地球からの通信で、誰に繋ぐべきかわかりませんでした。受信した映像があなたと同じ容姿だったのでお繋ぎしました。」

B「俺と同じ姿だって?平行宇宙ということはパラレルワールドか。まさか映画じゃあるまいし侵略しに来たとか?」

AI「受信した映像からは我々のような高度な技術があるようにはみえませんでした。」

B「(笑って)なら安心か。繋いでみるか。」

目の前にアナログテレビが現れ、リモコンでそれのスイッチをいれる。

別の地球のBが映し出される。

驚き混乱する別の地球のB。

別のB「酔っ払ってる?」

B「休暇中でね。別の地球はどんなのかって思って接続してみたら、こんな暗い俺が出てくるとはね。照明つけたら?」

別のB「休暇?そっちの地球は幸せな世界なのか?」

B「みてみるかい?」

そういってリモコンのチャンネルをかえるB

アナログテレビにBの住む豊かでハイテクな様子が映し出される。

ビーチで遊ぶ未来の人々、

空飛ぶ車が行き来する摩天楼、

未来の豪邸で楽しそうに食事をする人々。

感動し涙を流す別のB。

別のB「すごい、こんな世界があるなんて・・・白黒エネルギーは僕達を幸せにしたんだ。」

B「こっちは白黒エネルギーが完璧にコントロールされているよ。そっちはなにかあったのか?」

口ごもるが話し始めるB

別のB「恥ずかしい話をしないといけない。こちらの地球は白黒エネルギーを制御できなかった。白黒エネルギーで富を得た選ばれた人たちはコールドスリープで未来に逃げた。」

B「コールドスリープ?随分ローテクだな。」

別のB「俺たちのような選ばれなかった人間は汚染された地上に残されたままだ。」

B「地上?まだ地上で人が生きてるのか?この映像も地上からの映像か?」

別のB「どういうことだ?」

B「どうりでそっちの映像は悪いと思った。さっき俺がみせた映像は地上の映像じゃない。デジタル化された地球の映像だ。俺たちは肉体を捨ててデジタル世界に引っ越したんだ。」

別のB「そんな・・・。」

B「俺たちの地球のほうが白黒エネルギーに準備する時間があったみたいだな。不老不死で自由気ままにみんな生きているよ。仕事ごっこをしている人もいるが俺は休暇が好みでね。」

別のB「そちらの地上は一体どうなっているんだ?」

B「生物が住めないほど汚染されているが、白黒エネルギーは俺たちの技術で完全にコントロールされている。デジタル世界があるデーターセンターもロボットが全て管理を行っている。」

別のB「そこまで準備できていれば逃げることができたのかこの地上から。僕達が生き残るためには、白黒エネルギーと共存するには、汚染された地上と付き合うしかない。」

B「俺たちに何かできることはあるか?」

別のB「僕たちの地球よりも進んだ技術を持っているなら、汚染した地上を浄化する方法を何か知りませんか?」

B「白黒エネルギーの研究資料になにかあるかもしれない。探してみよう。」

別のB「助かります。」

通信を切る別のB。

AI「ずいぶん肩入れしていましたね。休暇はよかったんですか?」

B「逃げ遅れた人ほど哀れなものはいない。何より自分の頼みだったしね。」

そういってまた海岸を眺めながらビールを飲むB

Bの眺める海が夕方から夜へ移り変わり朝日がでてまた夕方になりまた夜になる。

立ち上がるB


S#10未来の図書館(夜)

オープンカーが前にとまり、Bが車から出てくる。


S#11未来の図書館内・閲覧室(夜)

窓のようなモニターに白黒エネルギープラントの映像が映し出されている。

それをみているB

そこへ図書館の司書がやってくる。

司書「いまさら白黒エネルギーに興味が?」

B「まあね。この映像は今の発電所の様子かい?」

司書「いえ。過去の一番いい時の映像です。潜水艦や宇宙船から外をみるには勇気がいるでしょう?外に出たら死ぬという不安を感じさせないように、リアルタイムの映像は避けてるんです。」

B「完全にコントロール下であることに自信を持てば不安なことなんてないさ。」

司書「じゃあ、地上を覗いてみます?」

B「いや今日はそんな気分じゃないし、白黒エネルギーの資料をみにきただけだから。びびってるわけじゃないよ。」

笑うBと司書


***


ファイル化され紙に印字された資料をみているB。

そこへAIアシスタントから通信が入る。

AIアシスタント「ボス、また別の地球の貴方から通信です。」

B「繋いでくれ。」

白黒エネルギープラントが映っていたモニターに別の地球の映像が接続される。

B「やあ、今資料に接続したところだ。」

少し遅れてモニターに別のBが映し出される。

作業着を着たB。息を荒げ興奮状態。

別のB「そちらの地球では、白黒エネルギーの汚染で病気になった人はいたか?」

B「ああ、地上にいたときはいたが?」

別のB「汚染地帯で、この子をみつけたんだ。」

別のBがうつっていた映像に子どもが映し出される。女性には呼吸器がつけられている。

別のB「末期の症状だ。」

驚くB

B「人が死のうとしている?」

別のB「頼む助けてくれ!」

B「わかったわかってる!資料が目の前にある。執刀医と繋いでくれ。」

先ほど見ていた資料の中で白黒感染病の欄をみるB。

透明のタブレットをタップするB。

資料の中の治療の様子がモニターに映し出される。

B「臓器移植が必要だ。いったん血を抜かないといけない。それはコールドスリープの装置を使えばいい。こちらの病状のカルテを送る。治療の様子の映像もだ。」

Bが集中すると部屋が暗くなり情報が一極に集まっていく。


***


モニターに映し出される子どもの映像。

ベッドに横たわり手術着に着替えて穏やかに眠っている。

感慨深くみているB。

別のモニターに医師が映し出される。

医師「貴方の資料のおかげでこの子の手術は無事成功しました。」

B「よかった。こちらの技術は優れている。白黒エネルギーはコントロールできるんだ。」

眉をひそめる医師。

医師「実は貴方に伝えないといけないことがあります。」

B「なんだ?」

医師「汚染地帯探索の過程であなたも白黒線に長時間晒されてしまい感染してしまっていました。その子と並行して手術をしていたんです。」

B「俺も?」

医師「手術の結果、彼は亡くなりました。」

B「冗談じゃない、」

医師「こちらのあなたが亡くなりました。」

立ち上がるB。

B「何を言ってるんだ!こちらの技術の成功率が50%だっていいたいのか!?」

医師「誠に申し訳ございません。」

B「この子は助かったんだろ!?俺も助かるはずだ!同じことをしていれば!」

医師「もしかしたら私たちの技術不足だったかもしれません。ですがあなたも人ならわかるはずです。完璧な物なんてこの世にはありません。」

B「こっちのデジタル世界にはあるんだよ!完璧にコントロールされた世界が!」

医師「そうなんですね。きっと考え方が違うんです。私たちとあなたたちでは。それでも、こちらのあなたが亡くなって本当に残念です。」

B「すまない・・・俺を見ることはできますか?」

医師「・・・あなたが亡くなっているんですよ。その姿をみて平気ですか。」

B「平気かどうかみてから考える。」

医師の姿が消え、別のBの姿がうつしだされる。

その映像を見て過去の別のBの言葉がBの脳内にフラッシュバックする。


***

フラッシュバック

別のB「僕達が生き残るためには、白黒エネルギーと共存するには、汚染された地上と付き合うしかない。」


S#12未来の図書館内・閲覧室(朝)

窓のようなモニターに朝の景色の白黒エネルギープラントの映像が映し出されている。

それをみているB。

そこへ図書館の司書がやってくる。

司書「調べたいものはありましたか?」

B「ああ、ありがとう。」

司書「では、バケーションに戻るんですか?」

B「いや新しい仕事ができてね。そちらに取り組むよ。」

立ち去ろうとするBだが立ち止まり踵を返す。

B「今の地上をみてみようかな。」

司書「(笑って)びびってたんじゃないんですか?」

B「さっきそれ以上に恐ろしいものをみたんだ。」

司書「なんですか?」

B「コントロールできない完璧じゃないものを見たんだ。だから地上が本当にコントロールできているかみてみたいんだ。」

NA「彼は別の地球にいた自分のために地上を浄化する研究を行った。それは彼のいる地球にとっても、次の一歩になった。」


S#13

フラッシュバック、A、C、Bのシーンがナレーションに混ざり合う。

NA「人は光の白の中で自分を見失い、黒の影の中に自分を見つける。そしてそれは白黒の中で行き来しあう。波のように。」


S#15タイトル「白黒」


終わり